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現状と課題
市民の健康づくりを積極的にすすめるために
健康滝川21計画
健康寿命の延伸と生活の質の向上をめざして
目次
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第1.現状と課題
1.健康づくり事業の現状と課題
滝川市は、健やかな21世紀をめざして「滝川市まちづくり第3期基本計画」を策定して、主要行政施策を推進してまいりました。また、主要課題の解決のために、基幹プロジェクトとして「健康文化都市推進構想」を定め、市民の健康づくり事業を積極的に推進し取り組んできました。
今日まで、健康づくりに係る様々な事業の取り組みについて、現状、成果、課題等について整理を行い、今後の健康づくり事業の新たな展開に活用することといたします。
(1)恵まれた施設、自然環境で多くの事業
滝川市における健康づくりに関する事業は、保健センターを核とする保健事業、国民健康保険事業、スポーツ施設における健康増進事業、社会参加、生涯学習事業、コミュニティ事業、その他各種機関団体、民間施設等による様々な健康づくり事業が積極的に推進されています。
特に、石狩川、空知川の広大な河川敷の運動施設や滝の川運動公園内の各種スポーツ施設、自然が豊かな丸加高原健康の郷周辺の施設や健康の森、ふれ愛の里周辺、文化ゾーン等は非常に恵まれた環境にあり、民間団体等の事業を含めて多種多様な健康づくり事業が展開されています。
予防衛生、検診、健康チェック、健康指導、健康相談、栄養指導、ヘルスコンダクターの養成、健康まつり、各種競技大会、運動、スポーツ教室等、公民館講座、福寿大学、教養、娯楽、趣味の講座等、生きがいづくり等の生涯学習、食文化、薬膳料理、更には、学校保健、学校給食、障害者や高齢者のデイサービスも、全て健康づくりに関連した事業であります。
(2)健康づくり事業の取り組みの現状
1 )各種検診、保健指導、歯科指導
生活習慣病の早期発見、早期治療により中壮年の死亡を減少させるために、各種がん検診と基本健康診査を組み合わせて実施しています。主に働き盛りの40~50歳代には、総合健診が好評で受診者数が増加しています。
その他結核検診、各種予防接種、骨粗しょう症検診、エキノコックス検査、前立腺検診等の検診も実施しています。これらの検診には、市が助成をして受診者負担金を定めており、国民健康保険では、被保険者に対して受診者負担金の全額から7割の助成を更に行っています。
健康教育、健康教室、市民相談コーナー等を開設していますが、まだ、生活習慣に関する相談件数は少ない現況です。
歯科保健事業については、妊産婦や乳幼児の定期的な歯科検診、障害者(児)への訪問歯科保健活動の展開により、乳幼児の歯科疾患は減少しています。また、8020達成に向けて、低年齢からの歯科保健教育が必要なため、滝川市子供の歯を守る会の活動の充実も視野に入れながら、口腔衛生に関する知識の普及を図っています。
元気カードについては、健康管理システムとして現在約1200件が登録されています。
地域健康づくり推進リーダーであるヘルスコンダクターの養成は、平成3年度から実施し、平成5年度からはホームヘルパー3級の資格取得による講座内容の充実が図られ、現在約220人のヘルスコンダクターの会を組織し、地域活動や自主的なボランティア活動が行われています。
2 )栄養、食生活の改善
保健センターによる栄養指導、コレステロール予防教室、母と子の料理教室、バランス食クッキング、骨粗しょう症予防クッキングなど食生活改善推進協議会等の協力を得て生活習慣病の予防を目的に実施しています。また、安心、安全な地元の食材を学校給食に活用するように取り組んでいます。
3 )市民健康まつり、健康イベント
市民健康まつりは、国民健康保険事業として、関係16団体による実行委員会を組織して開催しています。健康なまちづくり事業は、市が実施する健康づくりに関連する事業をピックアップして、スタンプラリー方式により各事業の参加率を高める取り組みを行っています。
その他、虫歯予防デー、ふれ愛の里の食と健康とフォークの集い、丸加高原のコスモス祭り等を開催しています。
4 )スポーツ関係
スポーツに対する考え方は、近年余暇時間の増大、高齢化、価値観の変化など社会状況の変化により市民ニーズが多様化しています。このためスポーツ課を中心に、市民一人一スポーツや健康づくりスポーツの推進、誰でも楽しめる市民参加型のニュースポーツ、アウトドアスポーツの普及、冬季スポーツ、レクリエーションの振興に努めています。
(財)滝川市体育協会におけるスポーツ教室の開催、スポーツフェスティバルを中心に、各種スポーツ団体が競技大会等を開催しています。
主な施設としては、スポーツセンターや陸上競技場を中心とした滝の川運動公園、野球場、テニスコート、サイクリングロード等の整備された河川敷運動施設、海洋センター、温水プール等、健康運動系の教室、サークル等の事業が多彩に開催されています。
その他、丸加高原健康の郷でのジョイントハイキング、丸加山やふれ愛の里の歩くスキーコース、学校では年間を通じて様々な事業が開催されています。
5 )文化、社会参加、生きがいづくり
文化センター、美術自然史館、子供科学館、郷土館等の文化ゾーンを中心とした知識や教養講座、ボランティア活動による植物調査、自然ガイドなどの社会参加や生きがいづくり、趣味の講座、娯楽等の文化事業、公民館講座、出前講座、福寿大学などの生涯学習事業、福祉部門での、敬老会、老人共同作業の花壇づくり、中央老人福祉センターでの教養、娯楽、健康相談、レクリエーション大会、障害者のデイサービス事業、いきいき三世代交流祭り等の事業が開催されています。また、文化系の講座や教室、サークル等の事業も多彩に行われています。
6 )休養
現代社会において、健康を阻害する大きな社会的要因としてストレスがあります。精神的肉体的疲労の蓄積と複雑な人間関係、コンピュータ社会の急激な進展により自然回帰によるこころとからだの休養が非常に注目されています。ふれ愛の里の温泉入浴、休養、食と健康の養生館の安全な地元の食材によるふるさと薬膳、コテージでリラックスを楽しめ、こころとからだの休養、リフレッシュが期待できます。また、そば打ち体験やパンづくり体験を楽しめます。
丸加高原健康の郷の周辺施設(丸加高原伝習館、丸加山牧野、オートキャンプ場、文学の小径)、丸加山から無名山、音江山にいたる健康の森(コスモスの森、自然観察の森、せせらぎの森、21世紀の森、展望の森)は、豊かな自然に囲まれた体験型の自然休養施設として整備が進められています。
(3)健康づくり事業の課題
1 )一次予防としての各種検診、保健指導、歯科指導
各種検診の必要性については広く理解されていますが、すでに生活習慣病で治療をしている人や職場等で同じ検診を受けていて検診が不要な人もいます。逆に検診が必要にもかかわらず関心が薄いために受けようとしない人もいます。これらの様々な状況を行政が把握することは困難であり、市民に受診指導を働きかける場合には一定の限界があります。
また、検診事後の管理は、病院で受診後は医療機関に移行するため生活習慣の改善が継続されているか等の状況が不明となることが多くなっています。
健康教育、健康相談等は、知識の普及啓蒙がまだ十分ではなく、生活習慣の改善に向けた積極的な取り組みが必要であり、計画的な事業の推進が必要と思われます。各種予防、健康教室は、教室終了後の継続指導が大事であり、運動処方箋、栄養処方箋の作成にあたり体制の整備が課題です。
歯科事業は、生涯自分の歯で噛んで食べる咀しゃく機能の維持は、健康のために最も重要な機能です。このために小児期からの歯科保健教育の充実と、中高年層から急増する歯周病に対する検診の体制づくりが重要であり、歯科医会の協力を得ながら8020運動を推進していく必要があります。
元気カードは、市民の健康情報端末として、機能や利用方法を十分に検討を行い、ふれ愛の里、スポーツセンター、サンライフ滝川、丸加高原伝習館等の健康づくり施設においても活用されることが望まれます。
国民健康保険が実施している各種検診助成は、年々受診者が増加傾向にありますが、助成割合の引き上げが課題になっています。また、コンピュータヘルスチェック、短期人間ドックの助成は、5年間の補助事業が終了し、今後どのような事業を実施するのか検討が必要になっています。
ヘルスコンダクター養成事業については、現在220人のヘルスコンダクターの会の会員が積極的なボランティア活動に取り組んでいますが、会員の高齢化と町内会単位での空白地域の解消に向け、養成講座の開催が必要であり、市民の自主的活動を促進するため、より地域と一体となったヘルスコンダクターの活動が期待されています。
2 )栄養、食生活の改善
食生活の改善による健康事業の開催は、まだまだ関心が薄く参加人数も少なく、将来疾病につながる人々へのアプローチ、個別栄養指導による食生活の支援が今後も必要と思われます。
ふれ愛の里の食と健康の養生館では、薬膳メニュー、そば、健康ジュースなどと、そば打ち体験、パンづくり体験等との連携が必要と思われます。また、食生活改善推進員の養成や食生活改善推進協議会との連携、活動支援も今後の課題になっています。
学校給食は、児童生徒の健康増進、体位向上と偏食改善、所要栄養量の摂取など重要な役割をはたしています。栄養的かつ衛生的で魅力のある給食と施設の老朽化、ランチルームなどの整備、センター方式、偏食、朝食を取らない児童生徒等の対応等を検討していく必要があります。
3 )市民健康まつり、健康イベントの開催
市民健康まつりは、平成11年度で15回目となり市民に定着した健康まつりになっています。しかし、参加人数の伸び悩みや会場も手狭になってきており、事業内容の見直しが必要と思われます。
スタンプラリー方式の健康なまちづくり推進事業は、市関連事業だけに限定しておりPR方法が課題になっています。
保健センター、ふれ愛の里、丸加高原伝習館、スポーツセンター、地区公民館等が連携し、健康づくり関連施設と健康づくり空間を活用した取り組みが今後の課題と思われます。
ふれ愛の里や丸加高原健康の郷周辺の施設や自然空間を活用したイベント等を開催し、市民へのPRと利用の拡大を図る必要があります。
4 )スポーツ関係
高齢社会に適したスポーツの振興により積極的な健康づくり、生きがいづくりを推進し、活力に満ちた長寿社会の形成をすすめます。
アウトドアスポーツの普及に伴い自然を背景としたスポーツ活動の体験研修と指導者の育成が必要になっています。
冬の間戸外に出たがらない子供たちに、冬の楽しさと冬季スポーツの魅力を再発見してもらい、若年層を対象に冬季スポーツ、レクリエーションの普及と底辺拡大、冬季のスポーツフェスティバルの開催、冬季スポーツ関係の指導者の確保と施設整備の取り組みが必要です。
生涯スポーツの普及のために、体育協会や民間スポーツ団体を含む指導者の育成、確保、連携、協力体制、健康や体力づくりの指導者の育成、研修、関係機関や団体との連携が重要な課題であります。
海洋センターを有効活用するために隣接する施設との連携、学校授業への組み入れの働きかけをより強化する必要があります。
温水プールについては、高齢化にも対応できる健康増進施設として、「競泳」から「遊泳」をコンセプトにした施設運営のあり方の検討が必要と思われます。
丸加高原健康の郷や健康の森は、積極的な活用を図るために市民に施設や空間の素晴らしさを広くPRする必要があります。ふれ愛の里周辺は市内最大の集客力がありますが、健康とスポーツの連携が今後の大きな課題となっています。
5 )文化、社会参加、生きがいづくり
文化ゾーンでは、社会参加や生きがいづくりに関係した事業を多く実施しており、いかに魅力のある事業を開催するかが課題となっています。
生きがいづくり事業は、文化団体等の育成が発表等の機会を多くし、生きがいにつながることになり、文化の伝承や世代間交流では、指導者の高齢化に伴う後継者の育成が課題となっています。
公民館講座や福寿大学は、ニーズに即した学習プログラムや学習機会の提供、講座受講後のフォローが課題となっています。また、生涯学習振興会、民間団体、文化系の各種教室、サークル等の健康づくり事業との連携や協力体制も課題となっています。
福祉部門では、敬老会、老人共同作業の花壇づくり、老人レクリェーション等については、事業の内容や期間、老人クラブごとの取り組み、財源的な問題も課題になっています。老人共同作業の花壇づくり、老人レクリエーションについては、国民健康保険の事業として継続していますが、財政的な問題もあり今後の課題になっています。
中央老人福祉センターは、いままでは特定の人しか利用していませんでしたが、介護保険が、平成12年度から自立者対策として「生きがいデイサービス」(仮称)事業を実施しています。今後は利用者の区分、利用料金等が課題になります。
地域ネットワーク事業については、今後の在宅高齢者等の増加に対応するため将来的には全町内に拡大を図りたい事業でありますが、社会福祉協議会との関係もあり、関係団体と連携を図りながら取り進めていく必要があります。
障害者の生きがい対策、社会参加では、特に知的障害者に対する施設、バックアップ施設等が課題になっています。
三世代交流センターの三世代交流祭り等は、地域依存度が高く、ボランティアの高齢化や類似事業との兼ね合いが課題になっています。
6 )休養
ふれ愛の里周辺施設、丸加高原健康の郷、健康の森等を活用した自然回帰によるリラクゼーション、温泉入浴、休養、リフレッシュ、健康法の啓発等施設全体のPRを積極的に行い継続性のある市民の利用拡大を図る必要があります。
7 )その他
健康づくり事業は、計画的に継続していくことが大切です。行政や民間団体等で多種多様な事業が取り組まれています。情報の提供、協力体制の確立、組織の柔軟性を保ちながら、市民の健康度がより高まるために、より効果の期待できる健康づくり事業に取り組んでいく必要があります。
また、市民が参加できる事業や利用できる施設が一目で分かる「健康づくりマップ」の作成や、健康づくり事業を具体的に推進する庁内組織「健康滝川21計画推進本部(仮称)」の設置、さらには、市民全体の健康づくりに関係する機関、団体等が有機的に連携できるようなネットワークづくりが必要と思われます。